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税理士の一言

医療法人の財産は、国・地方公共団体等に帰属?

今年4月、第5次医療法改正

医療関係者においてはもう広く知られているところだと思いますが、今年4月施行の改正医療法は大きな注目を浴びました。特に医療法人制度については大きな変更があり、「医療法人制度に歴史的変革をもたらした」との評もあるほどです。

今回の改正のポイントの一つに、医療法人の残余財産の帰属先に関する規定が改められた事が挙げられます。医療法人の定款で解散に関する規定を定める際において適用される、医療法第44条第4項の規定を紹介します。

「第2項第9号に掲げる事項中に、残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には、その者は、国若しくは地方公共団体又は医療法人その他の医療を提供する者であって厚生労働省令の定めるもののうちから選定されるようにしなければならない。

そして、この医療法第44条の規定を受けて医療法施行規則は次のように定めています。

医療法施行規則第31条の2(残余財産の帰属すべきものとなることができる者)法第44条第4項に規定する厚生労働省令で定めるものは、次の通りとする。
一 法第31条に定める公的医療機関の開設者又はこれに準ずる者として厚生労働大臣が認めるもの
二 財団である医療法人又は社団である医療法人であって持分の定めのないもの

医療法人は法人組織であっても、配当ができないのは従来通りです。しかしその一方で、解散時における残余財産の帰属先については、合併及び破産の場合を除き定款上に定める帰属すべき者に帰属するとされてきました。つまり最終的には持分に応じた払戻を受けられる仕組みになっていたわけです。

しかし医療法の改正以後は持分の定めのある医療法人の設立は不可能となりました。ただし、既存の持分のある医療法人については、「当分の間」、経過措置型医療法人として従来同様の残余財産の処分をすることができます。

なぜ、このような改正がなされたのでしょうか。ポイントは「医療法人の非営利性の徹底」にあるといえそうです。

「確かに配当は禁止されているかもしれないけれど利益を法人内部に留保して蓄積を進め、最終的に出資持分に応じて分配できるなら株式会社と本質的構造は同じではないか、医療法人のみが「医療の非営利性」というという特性に応えうる形態であるというのはまちがっている。株式会社にも医療機関経営を解放すべきだ。」という大きなパワーに抗するため、非営利性を徹底する必要があったのでしょう。

医療法人は税務上の取扱は別として、営利法人と公益法人の中間たる法人と位置づけられています。公益法人制度改革においては非営利法人の定義が再検討され、また中間法人の廃止の流れもこの改正を後押ししたのではないでしょうか。

歴史的な改正である今回の医療法改正、紹介した事項以外にも大切な事があります。また、期日を切られて対応を迫られている事もあります。(保健福祉環境事務所からもう通知は届きましたか?)。

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